「朝、車を見たらうっすら砂っぽくなってる気がして…」
この時期、こうしたご相談がぽつぽつ増えてきます。テレビで「黄砂飛来」のニュースを見ると、つい気になってしまいますよね。今日はその黄砂が、車の塗装にどんなことをしているのかをお話しします。
花粉と黄砂は、ダメージの性質が違う
少し前のブログで「花粉と塗装ダメージ」のお話をしましたが、実は花粉と黄砂は、塗装に与えるダメージの種類がぜんぜん違います。
花粉は、雨に濡れたり熱で水分が抜けたりすると酸性のシミになります。化学的に塗装を傷めるタイプのダメージです。
一方、黄砂はもっと物理的なダメージ。中国大陸から飛んでくる微細な鉱物の粒子で、簡単に言うと"砂"そのもの。それが車のボディに静かに積もっているわけです。
乾いたまま拭くと、研磨剤になります
ここがいちばん大事なところです。
黄砂が乗っている状態で、タオルや雑巾でサッと拭いてしまうと、その砂粒が塗装の上で「研磨剤」として働きます。目には見えないほど細かい線キズが、ボディ全面にぐるりとつく — これが黄砂時期によくある失敗です。
「ちょっと汚れが気になっただけなのに、いつの間にかボディがくすんで見えるようになった」という方は、黄砂を乾拭きしてしまった可能性が高いです。新車でも数年でくすんでくるのは、こうした細かい線キズの蓄積が原因のことが少なくありません。
黄砂が乗ったときの正しい対処
シンプルです。まず水で流すこと。砂を物理的に浮かせて、塗装に擦りつけずに落とす。これだけで黄砂ダメージのほとんどは防げます。
コーティングが機能している車であれば、黄砂は水で流せばあっさり落ちます。塗装と砂の間に、すべりのよい層が一枚あるからです。逆にコーティングがないと、砂が塗装に直接ふれて、わずかながら噛み込んでしまうことがあります。
"下地"を整えておくことの意味
うちの店でコーティングをするとき、施工そのものより下地磨きに時間をかけることが多いです。すでにある細かい線キズを丁寧に整えてから、コーティングをのせる。こうすることで、その後の数年間、黄砂や花粉に強い状態を保てます。
逆に言うと、線キズが入ったままコーティングをしても、表面は守られても見た目はキズが残ったまま。だからこそ、磨きの工程を端折らないようにしています。
連休に向けて遠出のご予定がある方は、出発前に一度、軽く水洗いだけでもしてあげてください。それだけで車は喜びます。気になる方はお気軽にご相談くださいね。