朝晩がぐっと冷えてきて、「そろそろ冬タイヤの準備をしないとね」という声を聞くようになりました。
タイヤ交換というと、溝の深さや空気圧に目が行きがちだと思います。
ですが、交換のたびに足元を見ている立場から、もうひとつお伝えしたいことがあります。
それは、ホイールの汚れのことです。
ホイールの黒い汚れの正体
ホイールの表面に付いている、黒っぽい粉のような汚れ。
あれの多くはブレーキダスト(ブレーキを踏んだときに、パッドやローターが削れて出る粉)です。
ブレーキダストには鉄分が含まれていて、
- 雨や湿気で水分を含むと、サビのような茶色いシミになる
- 熱で焼き付くように、ホイールの表面にこびりつく
- 時間が経つほど、普通の洗車では落ちにくくなる
という性質があります。
つまり、汚れたまま半年しまっておくと、その汚れも半年ぶん育ってしまうということです。
外したタイヤは「洗って、乾かして」から
冬タイヤに替えたあと、夏タイヤは次の春まで出番がありません。
しまう前に、次のことをしておくだけで、春の状態がかなり変わると考えています。
- 水をたっぷりかけて、汚れを浮かせてから洗う:いきなりブラシでこすると、ダストが研磨剤のようになってホイールに傷が入ります
- スポークの裏や、ナットまわりも流す:表から見えないところほど汚れが溜まっています
- しっかり乾かしてからしまう:水分が残ったままだと、保管中にサビやシミの原因になります
- 雨や直射日光の当たらない場所で保管する:ゴムの劣化を防ぐためにも大切です
ここで気をつけていただきたいのは、こびりついた汚れを、力ずくで落とそうとしないことです。
ホイールの表面も、塗装やクリア層(表面の透明な保護膜)で守られています。
強くこすったり、硬いもので削ったりすると、汚れと一緒にその保護膜まで傷めてしまいます。
落ちないものは無理をせず、ご相談いただければと思います。
春に「あれ?」となったお車の話
以前、春のタイヤ交換でお預かりしたお車がありました。
秋に外した夏タイヤを、そのまま物置にしまっていたそうです。
半年ぶりに出してみると、ホイールの内側に茶色い点々がびっしり。ブレーキダストの鉄分が、保管中にサビとして浮き出てきたものでした。
汚れが固着しているので、きれいにしようとすると、どうしても表面に負担がかかります。
このときは、無理に「全部消す」のではなく、表面を傷めない範囲で落とせるところまで、という判断をしました。
お客さんからは「しまう前に洗っておけばよかった」という一言。
秋のひと手間で防げることだからこそ、こうしてお伝えしておきたいと思いました。
タイヤ交換は、車の「足元の健康診断」
当店でタイヤ交換のご依頼をいただいたときは、タイヤだけでなく、
- ホイールの汚れや傷の状態
- ボディの塗装の状態
- ヘッドライトのくすみ具合
なども、あわせて見るようにしています。
気になるところがあれば、その場でお伝えします。ただ、すぐに何かをおすすめするためではなく、今の状態を知っておいていただくためです。
まとめ
- ホイールの黒い汚れは、鉄分を含んだブレーキダスト
- 放っておくと固着やサビの原因になる
- 外したタイヤ・ホイールは、洗って、よく乾かしてから保管する
- こびりついた汚れは、力ずくで落とさない
最後に
冬のあいだ眠っている夏タイヤも、春にはまた毎日の足元を支えてくれます。
しまう前のひと手間は、春の自分へのちょっとした贈りものだと思っています。
タイヤ交換のついでに、足元のことも気軽にご相談ください。